第14期半固形製剤教育研修会【第4回】を開催いたしました
第14期半固形製剤教育研修会の開催
製剤機械技術学会では、毎年若い技術者を対象とした剤形別の3つの教育研修会を実施して参りました。
残念ながら昨年の2020年度はCOVID-19の影響のため中止に至りましたが、会員皆様より本教育研修会の継続開催について多数のご要望をいただき、2021年度はWEBにて開催することとなりました。
「半固形製剤設計と工業化研究 ー半固形製剤の製造技術と基礎知識ー」をメインテーマとし、幹事会社である弊社は、半固形製剤技術の習得を希望する方(研修生)を対象に第4回の研修を担当いたしました。
研修内容 | 研修日 |
第1回:講義 (午前・午後) 半固形製剤の研究開発・物性および品質評価 | 6月22日(火) |
第2回:講義と実習動画、グループ討議(午後より) 半固形製剤の研究開発・物性および品質評価と試作実習 | 7月16日(金) |
第3回:講義(午前・午後) 半固形製剤の処方研究・外用剤容器・開発および工業化研究 | 8月19日(木) |
第4回:講義と実習動画(午後より) 半固形製剤のスケールアップの実際(1) | 9月16日(木) |
第5回:講義と実習動画(午後より) 半固形製剤のスケールアップの実際(2) | 9月22日(水) |
半固形製剤のスケールアップの実際(1)
ご挨拶
事務局による進行でスタートし、製剤機械技術学会 副会長 草井 章 氏より開会の挨拶を頂戴いたしました。
弊社の講演テーマの一つである「工業化のためにどうすれば良いか?」といった話に始まり、本講義の概略について触れていただきました。
そして、エマルションを調製するための処方の役割・撹拌装置の意義についてご説明いただきました。
※写真の一部にボカシ加工をさせていただきました。
続いて、幹事会社の代表として弊社 代表取締役 田中 啓史より歓迎の挨拶をさせていただきました。
オンライン形式での開催とは言え今年は本研修会が再開され喜ばしいこと、あらかじめ動画撮影をしたものを活用しながら受講いただけるよう工夫を凝らしている旨述べさせていただきました。
そして、本日の講義が実り多き研修となることを心から願い、「半固形製剤のスケールアップの実際(1)」と題した講義が始まりました。
講義と工場見学
前半のパートでは、「乳化現象と撹拌」「半固形製剤製造で使用する機械」について講義をさせていただきました。
撹拌の立場から乳化を考え、半固形製剤製造における乳化撹拌装置の重要性についてご説明させていただきました。
弊社のホームページコンテンツである「カクハンラボ」のページでも、今回の講義に関連した内容を紹介させていただいております。
順次更新して内容を充実させていきますので、お時間のある時に是非ご参照ください。
次に、初めての試みとして、動画を介した工場見学を体験していただきました。
あらかじめ、見学者の立場になって動画を撮影し、少しカジュアルにご紹介させていただきました。
弊社の技術と製造現場の様子について、イメージいただけたと思っております。
動画の最後には、今年8月に完成したばかりの新しいテクニカルセンターにも触れさせていただきました。
来年度は、是非とも弊社にお越しいただけることを願っております。
実習動画とグループ討議
後半のパートでは、「乳化撹拌装置のスケールアップ」「スケールアップを中心としたディスカッション」について講義をさせていただきました。
例年であれば、丸一日を費やして各種乳化撹拌装置を使用した試作を、実習として体験していただいておりました。
しかしながら、COVID-19の影響のため、全ての研修がWEBでの開催となりました。
そこで、講義だけでなく実習に代わる教材として、試作状況の動画などを解説付きでご覧頂き、さらにZoom機能を使ったグループ討議も企画いたしました。
総括と閉会
今回の講義のテーマでは「化学(乳化)」と「撹拌(機械)」の考え方が必要とされ、それらの幅広い知見を活用いたしました。
弊社のスライドでは多くの図やイラストを取り入れ、様々な論点に対して、できるだけイメージから理解いただけるように努めました。
当日は、製薬会社を中心とする各社様から20名の研修生にご参加いただきました。
4時間余りの長時間となりましたが、最後まで聴講いただき感謝申し上げます。
最後に、製剤機械技術学会 教育研修会 半固形製剤分科会を代表して、役員である松本 治 氏より閉会の挨拶を頂戴いたしました。
まずは、本講義へ向けた資料作成に関して、弊社に対して労いの言葉をかけていただきました。
研修生に対しては、半固形製剤を製造するにあたって、将来どのような問題を生じ得るかを意識しながら研究を進めると良いとアドバイスを送られていました。
※写真の一部にボカシ加工をさせていただきました。
最後に…
教育研修会は、医薬品製造に関わる基礎的な知識と試験機器、ならびに実際に現場で使用されている製造装置と同じレベルの装置を用いての実習による実践的な教育を行っております。
また、研修生の技術理解・習得とともに研修生同士の交流を促進し、企業の社員教育の一端を支援しております。
尚、研修生からの報告という形で、本研修会に関する記事が製剤機械技術学会誌に掲載される予定となっております。
短い時間でのご説明で不十分な点もあったかと思いますが、ご容赦戴けましたら幸甚です。
今回の講義内容が、半固形製剤技術の習得を目指す技術者として成長の一助となれば幸いです。