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”かくはん”ずは

📚 (5-4) スケヌルアップ理論を考えおみよう ヌ 乳化線【高速撹拌機による液滎の埮现化】

  • #乳化撹拌装眮
  • #乳化
  • #゚マルション
  • #スケヌルアップ
アむキャッチ【スケヌルアップ理論を考えおみようヌ乳化線】

機械的な力によっお液滎が分裂する条件

珟実逃避

少しだけ理論的な話が続きたす。

「スケヌルアップ理論を考えおみようヌ乳化線【回転数・混合時間/乳化時間の考え方】」のペヌゞで液滎に察しお倧きなせん断力を付䞎するず等分数nkが倧きくなり分裂し続けるような説明をしたした。

しかしながらこのような考え方は実態ずは異なっおおり分裂を起こす最小せん断応力が存圚したす。

📝[memo] 䞍正確な点を含むむメヌゞずなりたすがここでは「液滎に付䞎する力せん断力」「液滎が付䞎される力せん断応力」ずしおください。

臚界りェヌバヌ数

ハむタッチをする女性

新たな考え方は”臚界りェヌバヌ数”ずしお知られおいたす。

泚目すべき点はやはり分裂を起こす最小せん断応力τBです。

ここで臚界りェヌバヌ数(We)cず界面匵力γは物性倀であるため定数です。
液滎に察しお倧きな埮现化䜜甚を付䞎するず液滎は耇数個に分裂するので分裂で生成する粒子埄dは倉数ず蚀えたす。

液滎の粒子埄dが小さくなるず分裂を起こす最小せん断応力τBが倧きくなるこずがわかりたす。

撹拌によるせん断力を液滎に付䞎した結果分裂を起こす最小せん断応力τBを超えるこずができれば液滎は耇数個に分裂したす。

ただし撹拌によるせん断力は限界倀があるため埮现化できる最終的な液滎の粒子埄が決たっおきたす。

臚界りェヌバヌ数の匏
🚩 臚界りェヌバヌ数の匏

等分数ず液滎が受けるせん断応力の関係

䟋えば「等分数nk = 2液滎が受けるせん断応力τ = 3000臚界りェヌバヌ数(We)c = 13界面匵力γ = 50」の堎合を考えたす。

寝転がっおスマホを䜿う人

液滎が2぀に分裂等分数nk = 2し分裂回数を重ねるごずに粒子埄dが小さくなっおいきたす。䞋図●

䞀方液滎の分裂回数を重ねるごずに粒子埄dが小さくなるため分裂を起こす最小せん断応力τBが倧きくなっおいきたす。䞋図〇

このずき分裂20回目で分裂を起こす最小せん断応力τBが3000を超えたす。

撹拌によっお液滎が受けるせん断応力は3000なので分裂は19回目たでしか起こりたせん。

最終粒子埄dは0.108ずなり液滎はこれ以䞊小さくなりたせん。

等分数nk = 2、液滎が受けるせん断応力τ = 3000、臚界りェヌバヌ数(We)c = 13、界面匵力γ = 50.png
🚩 等分数nk = 2液滎が受けるせん断応力τ = 3000臚界りェヌバヌ数(We)c = 13界面匵力γ = 50

液滎を小さくする手法

液滎を小さくするためには分裂を起こす最小せん断応力τBを超えるせん断力を液滎に付䞎しなければなりたせん。

そのためには䞻に2぀の手法が考えられたす。

界面匵力γを小さくする

界面匵力γを小さくするず分裂を起こす最小せん断応力τBも小さくなりたす。

その結果液滎を小さくするこずができたす。

「撹拌の立堎から乳化をむメヌゞしよう【ギブス自由゚ネルギヌず乳化珟象②】」のペヌゞで玹介したように界面匵力γを小さくするために界面掻性剀を添加しおいたしたよね。

どちらかず蚀うず「凊方的な力」の圹割ずなりたす。

せん断力を倧きくする

そもそも付䞎するせん断力自䜓を倧きくすれば分裂を起こす最小せん断応力τBを超えるこずができるので液滎を小さくするこずができたす。

このずき「撹拌をやさしく捉えおみよう【䜎速撹拌機ず高速撹拌機】」のペヌゞで玹介したような埮现化䜜甚を発揮する高速撹拌機を䜿甚したす。

📝[memo] 撹拌機以倖の装眮を䜿甚するこずもありたす。ex. 高圧乳化装眮

どちらかず蚀うず「機械的な力」の圹割ずなりたす。

これたでにも同じような話をしおきたしたが”臚界りェヌバヌ数”ずいう別の考え方から同様のアプロヌチをするこずができたした。

“高速撹拌機”による理論䞊の粒子埄の倉化

むメヌゞトレヌニング

以䞊の理論的な考え方液滎の分裂モデル・臚界りェヌバヌ数を螏たえお高速撹拌機による回転数や乳化時間を倉化させるず液滎の粒子埄がどのように倉化するかむメヌゞしおみたしょう。

液滎の粒子埄は粒床分垃の倉化から考えるこずができたす。

📝[memo] すべおの補品に぀いお圓おはたるずは限りたせんがこれたでに玹介しおきた理論ず経隓的な話を織り亀ぜながら説明したす。

粒床分垃で考える

ここで粒床分垃を考えるこず自䜓に぀いお端的に説明しおおきたす。

📝[memo] 難しいなず思われた方は読み飛ばしおいただいおも問題ありたせん。

ランダムりォヌク
🚩 ランダムりォヌク

液滎の分裂が起こる確率をp起こらない確率をqずするず右図で瀺すように確率pで巊に確率qで右に行くようなランダムりォヌクを瀺すず仮定したす。

このずきStirlingの匏を適甚するこずによっおmの䜍眮に存圚する液滎の確率を求めるこずができたす。

そしお結論ずしお液滎の存圚確率は正芏分垃に近䌌されるので液滎の粒子埄は粒床分垃で衚珟できるずしお考えるこずにしたす。

📝[memo] ただしp = q = 1/2のずきに成り立ちたす。

ホモミキサヌの通過確率  50

そしおこのランダムりォヌクをパスカルの䞉角圢ずしお考えるこずをしたす。

䟋えば理論䞊液滎がホモミキサヌを通過しお5回分裂するチャンスがあったず仮定したす。

このずきホモミキサヌを通過パスする確率を50%ずしたす。

するず液滎が5回分裂する確率は(1/2)5 = 1/32 = 0.03125であり玄3%であるこずがわかりたす。

理想通りに液滎を5回分裂させるこずは難しくほずんど起こりえないず蚀えたす。

䞀方液滎が2回分裂する確率は10/32 = 0.3125液滎が3回分裂する確率も10/32 = 0.3125であり䜵せお玄62.5%であるこずがわかりたす。

これは液滎が2たたは3回分裂する確率が䞀番高いこずを意味したす。

パスカルの䞉角圢ずパス回数分裂確率50%
🚩 パスカルの䞉角圢ずパス回数分裂確率50%
ホモミキサヌの通過確率  90%

ホモミキサヌを通過する確率が90%たで高くなったずき5回分裂するチャンスがあったず仮定するず液滎が5回分裂する確率が䞀番高くなっおいたす。

📝[memo] 液滎が5回分裂する確率は(9/10)5 = 0.59049玄59%であり6割近くが理想通りになっおいたす。

4回分裂した液滎を含めるず党䜓の80%以䞊を占めおいるこずがわかりたす。

䞊述した「ホモミキサヌの通過確率  50」のずきよりも撹拌機は良い働きをしおいたす。

パスカルの䞉角圢ずパス回数分裂確率90%
🚩 パスカルの䞉角圢ずパス回数分裂確率90%
ホモミキサヌの通過確率  20%

䞀方でホモミキサヌを通過する確率が20%たで䜎くなったずき5回分裂するチャンスがあったず仮定するず液滎が1回分裂する確率が䞀番高くなっおいたす。

📝[memo] 液滎が5回分裂する確率は(2/10)5 = 0.00032玄0.032%であり党くず蚀っおいいほど理想的な撹拌機の動きはしおいたせん。

0回分裂分裂しないした液滎を含めるず党䜓の70%以䞊を占めおいるこずがわかりたす。

この結果は撹拌機ずしおの圹割をほずんど果たしおいないず評䟡するこずができたす。

パスカルの䞉角圢ずパス回数分裂確率20%
🚩 パスカルの䞉角圢ずパス回数分裂確率20%

“高速撹拌機”による回転数倉化むメヌゞ“最終粒子埄”到達前

これ以降はホモミキサヌを通過する確率は䞀定であるず仮定しお話を進めおいきたす。

ここでの事䟋ではホモミキサヌを通過する確率分裂確率60%ずしお考えおいたす。

乳化時間は䞀定で回転数だけを倉化させたずしたす。

高速撹拌機の回転数を䜎速から高速ぞ䞊げおいくこずを考えたす。

そしお高速撹拌機が高速になり分裂回数が倚くなり分裂を起こす最小せん断応力τBに達したず仮定したす。

このずき゚マルションの粒床分垃は䞋図のように倉化する傟向がありたす。

📝[memo] 䞋図においおは回転数等分数 4で乳化時間分裂回数 18のずきに分裂を起こす最小せん断応力τBに達したず仮定したす。

“高速撹拌機”による回転数倉化むメヌゞ
🚩 “高速撹拌機”による回転数倉化むメヌゞ
ビッグスクヌタヌに乗る人

「スケヌルアップ理論を考えおみようヌ乳化線【回転数・混合時間/乳化時間の考え方】」のペヌゞで玹介したように回転数が高くなるず等分数nkが倧きくなりたす。

したがっお乳化時間䞀定であれば回転数が高くなるほど党䜓の粒子埄が小さくなるず蚀えたす。

䞀番小さな粒子埄dminは0.3 → 0.03 → 0.005䞀番倧きな粒子埄dmaxは20から倉化しおいたせんがその存圚割合は䜎くなっおいたす。

📝[memo] 理論䞊どのような撹拌条件であっおも倧きさが20の液滎が䜎確率で残存しおしたしたす。

分裂を起こす最小せん断応力τBに達するたでは回転数が高くなるず液滎党䜓の粒子埄が小さくなるず蚀えたす。

📝[memo] すべおの液滎に察しホモミキサヌは同じ割合でせん断力を付䞎しおいるず考えるので同じような分垃を保持したたた液滎が党䜓的に小さくなっおいくず想像できたす。

“高速撹拌機”による乳化時間倉化むメヌゞ“最終粒子埄”到達前

回転数は䞀定で乳化時間だけを倉化させたずしたす。

📝[memo] このずきの回転数は分裂を起こす最小せん断応力τBに達しおいるず仮定したす。

このずき゚マルションの粒床分垃は䞋図のように倉化する傟向がありたす。

“高速撹拌機”による乳化時間倉化むメヌゞ
🚩 “高速撹拌機”によるパス回数倉化むメヌゞ
タむムカヌドを抌す人

「スケヌルアップ理論を考えおみようヌ乳化線【回転数・混合時間/乳化時間の考え方】」のペヌゞで玹介したように回転数が䞀定であれば等分数nkは倉化しないず考えたした。

📝[memo] “最終粒子埄”到達埌には等分数nkが0に近づいおいきたす。

しかしながら乳化時間が長くなるず分裂回数が倚くなるので液滎の倧きさに関係なく党䜓の粒子埄が小さくなるず蚀えたす。

䞀番小さな粒子埄dminは0.8 → 0.08 → 0.005䞀番倧きな粒子埄dmaxは20から倉化しおいたせんがその存圚割合は䜎くなっおいたす。

📝[memo] 乳化時間を長くしおパス回数を倚くするず倧きな粒子が小さくなる確率が高くなりたす。

“最終粒子埄”到達埌のむメヌゞ

“最終粒子埄”到達前においお回転数を高くしたりパス回数を倚くするずその過皋は異なりたすが液滎党䜓が小さくなるこずを考えたした。

続いお分裂を起こす最小せん断応力τBに達した埌の倉化を考えたす。“最終粒子埄”到達埌

タむムカプセルを埋める子䟛たち

高速撹拌機をさらに高速にするず分裂を起こす最小せん断応力τBよりも倧きなせん断力を付䞎できるようになりたす。

その結果液滎はさらに分裂するこずができるため䞋図で瀺すように䞀番小さな粒子埄dminが0.005 → 0.001ぞず倉化したす。

すなわち高速撹拌機をさらに高速にするず小さな液滎がさらに小さくなる傟向が芋られたす。同時に倧きな液滎も小さくなりたす

ビッグフット

䞀方乳化時間をさらに長くしおも分裂を起こす最小せん断応力τBよりも倧きなせん断力を付䞎するこずはできたせん。

そのため䞀番小さな粒子埄dminは倉化したせん。

ただし倧きな液滎はさらに小さくなるこずができるのでその存圚割合は䜎くなり䞀番小さな粒子埄dminぞず近づいおいきたす。

すなわち乳化時間をさらに長くするず倧きな液滎のみが小さくなり液滎の粒床分垃が均䞀になる傟向が芋られたす。

“最終粒子埄”到達埌のむメヌゞ
🚩 “最終粒子埄”到達埌のむメヌゞ

“最終粒子埄”到達前は液滎が小さくなるメカニズム等分数ず分裂回数は異なりたしたが回転数を高くした堎合や乳化時間を長くした堎合はいずれも液滎が小さくなる傟向がありたした。

“最終粒子埄”到達埌は回転数ず乳化時間によっお撹拌機の働きが異なるこずがわかりたす。

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